カーテンを掛ける目的の中で、光、熱、音の問題を解決したいというご要望を頂くことがあります。
光や熱に関してはカーテンメーカーやブラインドメーカーより様々な機能性商品が発売されていて、お客様のご要望に適合する適切な商品をお勧めすることができます。しかし、音に関しては防音と反響音が複雑に絡んでいることと、空間そのものの広さや建物の構造や室内環境がそれぞれ異なるため、窓廻り商品単体で効果を予測することができないのが現状です。
防音など機能性カーテンの施工例
音には周波数があり、簡単に言うと重い音と軽い音があります。重い音は質量が重いもので遮る方が効果があり、鉛のシートを貼った壁材や非常に重いゴム系のシートなどを使って制音します。
軽い音は質量の軽い断熱材や発泡系の厚みがあるものなどで制音します。
窓は、既存のサッシに加えてもう一つサッシをつける、いわゆる2重サッシにします。
しかしながら、壁や床などが平滑な場合は、音が反響してしまいます。音を外に漏らさない代わりに中で音が戻ってきてしまい、音楽を聴いたり楽器を鳴らしたりすると壁から反射して反響してしまうという理屈です。
コンサートホールなどでは、壁面や天井面に凹凸をつけ音の反響をコントロールしています。一見デザインのように見えますが、計算されているわけです。
住宅の室内環境も同様です。防音は様々な建材を用い、反響音は建材のほかに、布を使うことで効果を得ることができます。
壁面や天井面などは建材などが用意されていますが、ガラス面はカーテンが有効に働きます。特に厚手で起毛のある生地が向いています。薄手の生地の場合は、厚手の裏生地と合体して同様の効果をもたらすようにしています。
前置きが長くなりましたが、今回のお客様はピアノルームの反響音でご相談を頂きました。
当初より起毛のある厚手の生地をお探しでした。壁紙の淡いイエローと同色系と相性の良い色の2通りをご提案させて頂きました。
当店にあるサンプルはこちらです。
重厚感があり、しなやかなファブリックです。
こちらの商品は次のカラーバリエーションがあります。
結果的に、青磁色をお選び頂きました。とてもきれいで品もある色です。
裏地を付けましたので、縫製工場の担当者からかなり苦労をされたとのコメント。
取り付けたのはこちらです。
カーテンが入るとお部屋の雰囲気はものすごく変わります。
お部屋にシャンデリアがあるのですが、さらに雰囲気出てきました。
最後に反響音のテストをして頂き、合格を頂くことができました。
当店では、インテリア性はもちろんのこと、機能性もよくお伺いした上で総合的にご提案をしております。カーテンをお求めの際は、窓装飾プランナーのいる専門家をご活用することをお勧めします。
