最近、電動製品のお問い合わせが増えています。
カーテン業界にもいよいよ電動化の流れが本格的に来たという印象です。
人類は電気を手にすることでさらに発展を遂げてきた歴史があります。
エジソンが発明した電球は、私たちの生活そのものを変化させました。
また、家庭内においては、氷を入れて保存していた食品庫は電気冷蔵庫となり、食料品を新鮮で安全に保存することを可能にしました。
汚れや臭いに悩まされてきたトイレは、自動洗浄や消臭機能そして便座暖房やウォシュレット搭載することで進化を遂げてきました。
その他、洗濯機や掃除機、電子レンジなど挙げればきりがないですね。
日本におけるカーテン関連製品の電動化について
窓廻り製品であるカーテン関連製品はあまり積極的ではありませんでした。
もちろんないわけではありません。コントラクト用、つまり商業施設向けの商品をメインとして、一部家庭用もありましたが、制御部品の大きさから設置が困難であったり、ものすごく高価なことも、一般家庭での普及にブレーキがかかってしまいました。
また、電気製品という性格上、故障すると開閉そのものができなくなってしまうことを懸念するケースも多く、カーテンの電動化はほかの製品群と比較すると遅れを取ってしまったと言わざるを得ません。
本体+¥35,000で電動化できるロールスクリーンの発売
コントラクト主体の電動製品を家庭用に開発した電動ロールスクリーンがニチベイの「サイレントソフィー」と立川ブラインドの「ホームタコス」でした。
電動制御部材を本体内部にコンパクトにまとめ、コンセントにさすだけでOKというもの。
しかも、手動製品+¥35,000(ニチベイ・発売当時)というリーズナブルな価格設定。
それまでの「高価格&複雑&難工事」とう状態から比較して、「リーズナブル&コンセントさえあればOK」という画期的な製品が誕生しました。
カーテンレールについては、NASNOS(ナスノス)からコンパクト、スタイリッシュ、リーズナブルな製品が発売されてます。
現在では、スマートスピーカーやスマートフォンを経由して操作が可能となるなど、どんどん進化をしています。
ハンターダグラス電動シルエットシェード
今回は、2020年2月にモデルチェンジした新電動システム「POWER VIEW」を納めさせて頂きました。
電動シルエットシェード パワービューの施工例(東京都港区)
ハンターダグラス独自の無線通信システム(RF)を使用した電動製品の総称で、シルエットシェードやデュエットシェードなどの製品を電動化できるというもの。リモコンも格好良く、さすが意匠性にこだわるハンターダグラスですね。
ぺブルリモートといって名前の通り、人間工学に基づいて設計された玉石のようなデザインのリモコンで、操作部2色×カバー部10色からお選びいただけます。
ハンターダグラスの最大の特徴は、建物側の設置部にコンセントがあることを前提としていない点。
新築時やリフォームの際に意識的に設計をしない限り、カーテン用の電源を設けることは先ずありません。
よって、バッテリー駆動が基本設計となっているので、事前に配線工事が必要とせず電動ハンターダグラス製品の設置が可能となっています。
バッテリーパック(単3×12本)は本体の裏面にセットできるほか、分離することもできるため、高所など手の届かない場所であってもバッテリーパックを自由に設置できるよう設計されています。ACDCアダプターを使用すれば、バッテリーの交換が必要としなコンセント方式にすることもできます。
現在日本で販売されているバッテリー式電動製品は、リチウムイオン電池で駆動するFUGAの2社のみです。
写真だとわかりづらいのですが、本体の後ろにあるバー状の物がバッテリーパック、本体左から出ている配線をバッテリーにつなぐかACDCコンセントアダプターにつなぐかで仕様が決まります。
電動シルエットシェードの取付配線の様子
今回の案件では、カーテンボックス内に電源があり設置が可能ですが、カーテンボックス自体が浅いのとハンターダグラスのコンセントアダプターは大きいためはみ出てしまいます
綺麗に設置するためにはコンセントの位置を変えなくてはなりませんが、どこに移動しても浅いカーテンボックスからはみ出てしまうので、窓枠内に納めることになりました。
既存のコンセントから分岐させて天井裏でアダプターと接続して電源が見えないように処理しました。
配線のために壁や天井に大穴を開けるわけにはいかないので、ダウンライトが設置されている穴を利用して配線しています。
難色を示す電気屋さんを口説いて10台すべて天井裏に配線することができました。
本体を接続後、本体との接続部分は天井裏へ。ぱっと見 電動式か手動式かの見分けがつきません。
シルエットシェードを裏から見るとこんな感じになります。配線類は表から一切見えません。
窓枠内に納めるには縦枠とスクリーンとの隙間を一定にするために、付けたり外したりスクリーンを何度も上げ下げさせて納得がいくまで調整作業をします。
また、ハンター製品はメカとスクリーンとの隙間が最小限に設計されているため、巻きずれの調整も行います。
こうして10台すべてを無事納めることができました。
元々ついていたカーテンレールを外し、ビス穴を埋めて完了です。
今回のお客様は、ハンターダグラス製品を購入するのであれば、正しい知識と修理も含めた実績のある所で購入したいとことで、当店にお越しくださいました。大変うれしい反面、身の引き締まる思いでもありました。
台数も多く、壁や天井裏の状態もわからない中で配線工事を伴い設置をさせて頂きましたが、無事納まり、安堵の気持ちと感謝の気持ちでいっぱいです。
窓からの光の入り方、景色の見え方も良く、独特の雰囲気を醸し出すハンターダグラス シルエットシェードとっても格好良いです。
当店では、シルエットシェードPOWER VIEWの実物サンプルを展示しておりますので、製品の品質、スクリーンの透け感、リモコンでの操作感をご確認いただけます。