入居時の白かった壁紙も時間の経過と共に少しずつ汚れてしまうもの。
壁紙を張り替えるタイミングと下地のはなし
一般的なビニル壁紙の寿命は5年~7年くらいといわれていますが、10年でも15年でも状態が良ければ剥がれたりすることはなくご使用いただけます。大きな傷や剥がれ、カビなどが発生した場合は張り替えるほかありません。もちろん張り替えることがベターであることは間違いありません。
一旦張り替えるとなると、はがした壁紙が大量のごみとして発生します。また、既存の壁紙をはがすことで、下地である壁ボードの状態を悪くしてしまう恐れもあります。
そこで、壁紙を張り替えることなく壁をきれいにする方法があれば、地球環境にも優しいサスティナブルなリフォームが可能となります。
壁紙を塗装して素敵にリフォーム
張り替えずに塗ってしまおうというのが、今回のご提案です。ここで気を付けないといけないのは、ホームセンターなどで売っている市販の水性ペンキを塗ってはいけません。
壁紙の材料である可塑剤とペンキが反応して壁紙が剥がれなくなってしまいます。剥がれないということは、今後張替えができなくなってしまうということです。
壁紙の上から塗ることのできる専用ペイント
欧米においては以前から壁紙の上から塗ることのできるペンキは存在していました。漆喰のような仕上りが特徴でお城の修復にも使われているほどの高品質が売りなのですが、高価なため張り替えるより倍以上のコストがかかってしまうため、なかなか浸透しませんでした。
やがて日本の塗料メーカーが、低価格、高品質、多色対応(日本塗装工業会発行のサンプル)の壁紙専用塗料が発売されました。
壁紙専用ペイントの特徴
・はがす手間がないので、工期が短縮できる。
・汚れにくくなる。
・壁紙の繋ぎ目の目開きも目立たなくなる。
・ホルムアルデヒドの吸着機能があり、臭いも少なく安心。
・消防法に対応した防火性能。
・壁紙の廃棄につながらず、地球環境にやさしい。
黒ずんだ壁も短時間できれいにリフォームすることが可能になりました。
今回は、この塗料を使ったリフォームのご紹介をします。
室内を養生する
とにかく徹底的に養生します。
床、建具、スイッチやコンセント、照明器具、エアコンに至るまで全部ビニールで包みます。
今回は3人がかりで午前中いっぱい掛かっての大仕事。養生が甘いと余計なところに塗料がついてしまうので、とても気を使う作業です。
塗り始めは細かいところから
壁は範囲が広いので、隅や細かいところは筆を使って塗っていきます。筆は鉛筆の持ち方と基本同じです。
ペンキを筆に付けて、縁でトントンと余分な塗料を落としてから塗る塗装屋さん独特のスタイルで作業を進めていきます。
ローラーを使って一気に
細かいところが塗り終わったら、ローラーで一気に仕上げていきます。3人で一斉に作業を進めていくとペンキに含まれる水分で室内の湿気が上昇します。
夏の場合はとにかく蒸し暑い。窓を開けて風通しを良くしすぎると塗った塗料が流れてしまうので、適度に風が通るように調整します。
今回は、これでは暑いということで、エアコンで除湿を掛けながら作業を進めていきました。臭いはほとんどありません。
挌闘すること5時間。リビング、キッチン、廊下、玄関、洗面、トイレの塗装が終了しました。
養生をはがしていくと、ほらこの通り。
比較的短時間で水分が抜けるので、1時間程度でとりあえず手につかない程度まで乾燥します。
養生のビニール以外の大量のゴミが出ないサスティナブルな壁のリフォーム如何でしたか?
少々の隙間はペンキが埋めてくれるので、とてもキレイな仕上りです。
塗料が水性なので、灰汁やヤニはそのまま塗るとにじみ出てきてしまいます。シミ止めを塗布が必要となります。
また、油で汚れた壁紙は弾いてしまうので、塗装には不向きです。そんな時は今まで通り張替えにて対応します。
ビニールと違って、ほこりを寄せ付けないため汚れにくくなります。サスティナブルで汚れにくい壁のリフォームをお考えの人は、お気軽にご相談ください。