こんにちは。カーテンと住宅のリフォームの専門店ルドファンの砂村です。
この度、インターネットを見てくださったお客様よりドレッサーの修理をうけたまわりました。
お写真をメールで送って頂いて拝見したところ、椅子については糊切れ、本体の引出しについては完全に破損している状態でした。
お客様に話をお伺いしたところ、ご結婚されてからずーっと使っていらっしゃる大切なドレッサーと伺いました。
修理代の見積りをご提示させて頂いて、ご了解頂いてのお引き取りへ。
ここで家具を修理される方にお伝えしたいことがあります。
お客様「幾らくらい掛かりますか?」
ルドファン「○○円くらい掛かりますよ。」
お客様「新しいの買った方が安いので、止めておきます。」
実際には元のお値段にもよりますが、このようなお答えを頂くことが結構あります。
私たちがお伝えしたいことは
新品は ある程度の量をまとめて作るので、部品もまとめて作って、組立も流れ作業で、塗装もいっぺんに。
対して、修理は分解して、塗装を剥がして、紙やすりで削って、下地を作るのに何日も掛けて、壊れているところは直してようやく塗装。約1ヶ月もの時間を掛けて少しずつ他の家具も一緒に作業をしていきます。
おわかりのように、組み立てる前の工程が新品を作るよりたくさんあるんです。
そう、安くはならないんです。
私たちは、思い出の詰まった大切な家具を蘇らせて、喜んでもらって、これからまた一緒に愛して使ってもらいたい一心で引取りに伺ったり、工場と仕上がりについて何度も打合せをしたり、できあがったものをお届けしたりしています。
金額で表すことの出来ない家具のリフレッシュの威力はスゴいです!本当に新品同様の仕上がりになって蘇って戻ってきます。
不思議と修理後は新品とは違って、家具自体に重みを増して戻ってくるような気がします。素材の木が時間の経過で落ち着いてくるんですかね。お客様の「家具愛」を感じてしまうんですね。いつも心の中で直った家具に「良かったね。綺麗にしてもらえて」なんて思って納品してきます。
さて、今回お預かりした家具の修理方法は次の通り。
<ドレッサー>本体の塗膜を剥離 → 扉と引出しを合体 → ウレタンにて塗装
<椅子>分解 → 接着 → 治具で固定 → 全体をクリーニング
椅子は背もたれが糊切れを起こして接合部分が外れてしまっています。これは割れているのではなく、カーブを描くのに一本の木で作るとロスがとても多いので、何点かの部品で形成されています。
接合部はビスなど金物を使っていないので、時間の経過とともに糊の効力が無くなってガタが生じてきます。
分解して、接合部の糊を除去して、接着剤を使って際接合することで修理が出来ます。
本体は、左の側面が窓側だったんでしょうか、表面の突き板にひびが入り始めていました。剥離剤を使ってしまうと突き板が剥がれてしまうことがあるので、慎重に作業を進める必要がありました。これ以上状態が悪いと修復が出来なくなってしまっていたので、ぎりぎりの状態でした。
天板の白っぽくなっているところは、除光液などの溶剤が付いて変色したもの。ラッカー仕上げは溶剤に特に弱いので、今回は溶剤に強いウレタン塗装で仕上げることにしました。
引出しの前板は、本体から出ているベニヤ板の厚みに合わせてほぞを彫っただけの簡単接合でしたので、長年の使用に耐えられず、もげてしまったということになります。
そこで、隅木といって三角形の部材を作って、本体と扉との設置面積を増やすことで強度を持たせる修理方法を採用。これで、今後長年にわたる使用にも耐えうる仕様になりました。
こうやって、ウィークポイントも知恵と経験で改善し、使い方によってベストな方法で仕上げていくのが家具のリフレッシュなんです。修理と言うよりレストアの方が呼称としてはあっているかもしれませんね。
家具の修理はきちんとした設備と空間そして熟練の職人の合わせ技で仕上がりに差が出てきます。
ルドファンはカーテンだけでなく、インテリアの関することならワンストップでお任せ頂けるよう日々精進しています。
皆様からのリクエストお待ちしてます!