こんにちは。自由が丘のカーテンとリフォームの専門店「ルドファン」です。
ドレクセルのキャスター付きダイニングチェアの座面・背あてクッションの張替えと本体の塗替え&キャスターの交換を致しました。
ドレクセルダイニングチェア修理前の様子
当店に運ばれてきたドレクセル家具の状態はキャスターの一部が外れてしまい、フレームも塗膜が劣化してところどころ剥げてしまっていました。
クッションはそれほど傷んでいない状態でした。
修理のながれ
座面と背あてのクッションは、本体から分離します。
ドレクセルは日本撤退をしてしまったので、同じ生地がすでに入手できません。そこで、あらゆる国内外の生地の中からやっと出てきたのはドイツメーカーの生地でした。取り寄せた生地と座面&背あては椅子屋さんに、本体は家具の工場でそれぞれ作業に当たってもらいました。
椅子張り替え工場
背あてのクッションはウレタンごと作り直し、座面はウレタン交換&張り替えです。
家具工場の修理
ドレクセルをはじめ昔のキャスター付きダイニングチェアに使用されているキャスターはブロンズカラーなのですが、現在新品で販売されているのはすべてメッキシルバーしかありません。そこで、キャスターのカバーをブロンズ色に塗装して違和感のないようにしています。
キャスターは本体の脚に鬼目を呼ばれるパーツが埋め込まれています。キャスターのネジ径が合えばよいのですが、現行品では同径がないため、ほじくり返して新しい鬼目をセットする必要があります。
本体は、塗膜が全体的に傷んでいたため全剥離を行い、塗りなおしを行いました。
グレージング&スパッタリング加工
ドレクセル家具はアンティーク家具にみられる虫食いのような表情を塗装で表現するスパッタリング塗装が特徴です。
黒い墨のような小さな粒を程よく家具全体に吹き付けて表現します。
また、家具の形状に合わせて色の濃淡をつけるグレージング加工もしなければなりません。
吹いてはふき取りを繰り返し、最後にスパッタリングをしないと別物の家具に仕上がってしまいます。
時間と費用は掛かってしまいますが、職人の手にかかれば新品のように蘇ります。
職人さんからは「これで40年は持つよ」と言われると、しっかり手間暇かけて作業に当たってくれた証ですね。
本体とクッションを合体して出来上がりです。
いかがでしたか。修理はどこまで手をかけるかで仕上がりにも耐久性にも差が出てきます。
すべてが最上級である必要はないと考えています。作業の内容や費用についてはいくつかのパターンをご提案しますので、お気軽にお問い合わせください。